労働基準法改正法案の審議状況

労働基準法改正法案の審議状況

2016年04月07日(木)11:05 AM

労働基準法改正法案の審議状況

 一定年収を超える高度な専門職に就く労働者に対し、残業等の割増賃金規定の適用を除外する、いわゆる「高度プロフェッショナル制度」の創設などで物議を呼んだ労働基準法改正案。あれからどうなったのか?? と気に掛けている方も少なくないのではないでしょうか。
2015年9月27日に閉会した通常国会に提出されていた「労働基準法等の一部を改正する法律案」の現在の審議状況をご紹介します。

労働基準法改正法案の概要
提出中の労働基準法改正案の概要は以下となります。

(1)中小企業における月60時間超の時間外労働への割増賃金率の適用猶予廃止
月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率は労働基準法37条1項但書により、50%以上と定められていますが、同法138条により、以下のいずれかの条件を満たす企業(中小企業)へは当面適用しないとされていました。今回の改正案ではこうした猶予措置を廃止するとしています。
・小売業、サービス業、卸売業以外を主たる事業としていて、資本金(出資総額)3億円以下
・小売業、サービス業、卸売業以外を主たる事業としていて、常時使用する労働者の数が300人以下
・小売業又はサービス業を主たる事業としていて、資本金(出資総額)が5000万円以下
・卸売業を主たる事業としていて、資本金(出資総額)が1億円以下
・小売業を主たる事業としていて、常時使用する労働者の数が50人以下
・卸売業又はサービス業を主たる事業としていて、常時使用する労働者の数が100人以下

(2)年次有給休暇の取得促進
会社側は、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対しては、そのうちの5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないとする内容です。 (労働者の時季指定や計画的付与により取得された年次有給休暇の日数分については時季の指定は要しないとしています。)

(3)フレックスタイム制の見直し
フレックスタイム制の「清算期間」の上限を1ヶ月から3ヶ月に延長するとしています。また、1ヶ月当たりの労働時間が過大なものとならないよう、週平均50時間を超える労働時間については、割増賃金の支払い対象とするとしています。

(4)特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設
以下を条件として、いわゆる高度プロフェッショナルに分類される一部労働者に対して、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外とするとしています。
・職務の範囲が明確で一定の年収要件(少なくとも1,000万円以上)を満たすこと
・健康確保措置等が講じられていること
・本人の同意があること

現在の審議状況
労働基準法改正法案は、先の国会において、他の法案の審議が優先された結果、質疑すら行われないまま会期末となり、現在、「継続審議」扱いとなっているとのことです。
ただし、2月末時点でいまだ審議には入っていないようです。

※ 継続審議とは??
会期中に議決されなかった法案は、原則として「廃案」になります。これは、法案の議決等の国会の意思は、会期ごとに独立したものであるとする「会期不継続の原則」によるものです。しかし、国会法では「会期不継続の原則」の例外も認められており、各議院が、法案について「閉会中審査」の議決(本会議で過半数の合意が必要)をすれば、国会閉会中も法案審査ができ、次の国会に引き継ぐことができます。
なお、継続審議になった法案が、次の国会で成立するためには、改めて衆議院・参議院両方の議院の議決が必要になります。前の国会でどちらかの議院で可決されていた としても、その議決は、会期不継続の原則により、引き継がれないことが理由です。



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