改正雇用保険法の注目ポイント

改正雇用保険法の注目ポイント

2024年06月11日(火)3:38 PM

今国会で改正された雇用保険法の注目ポイント

現在、1週間の所定労働時間が20時間以上であり、31日以上引き続き雇用されることが見込まれる従業員については、雇用保険の被保険者となります。
2024年の通常国会で「改正雇用保険法」が成立し、被保険者となる従業員の範囲が拡大することになりました。
施行日は2028年10月1日ではありますが、どのように変わるのかを早めに確認しておきましょう。

 

[1]雇用保険の適用拡大

雇用保険の被保険者でなければ、基本手当(いわゆる失業手当)や、育児休業取得時の育児休業給付等は受給できません。働き方や生計維持のあり方の多様化が進展している中で、週の所定労働時間が短い労働者が増えています。そのような背景から、雇用保険の被保険者の範囲を拡大する必要があると判断され、「1週間の所定労働時間が20時間以上」という要件が「1週間の所定労働時間が10時間以上」に変更されることになりました。

 

[2]被保険者期間の算定基準

基本手当を受給するには、退職日前2年間に、雇用保険の被保険者であった期間が12ヶ月以上(倒産・解雇等の理由により退職した場合は退職日前1年間に6ヶ月以上)必要になります。ここでの「1ヶ月」とは、賃金の支払の基礎となった日数が11日以上ある月または賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上である月を指します。
 適用拡大に伴い、被保険者の賃金の支払の基礎となった日数が6日以上ある月または賃金の支払の基礎となった時間数が40時間以上である月を「1ヶ月」とすることに変わります。

 

[3]給付制限の見直し

現在は、自己都合で退職した者が基本手当を受給しようとすると、原則として2ヶ月間の給付制限期間(基本手当が支給されない期間)が設けられています。
今回の改正で、退職した後や、退職日前1年以内に、一定の教育訓練を受講した場合には、この給付制限が解除されることになりました。また、2ヶ月間の給付制限期間を1ヶ月に短縮する通達改正が行われる予定です。なお、現状、5年間で3回以上、自己都合で離職した場合には給付制限期間が3ヶ月となりますが、この点は改正されない予定です。
なお、この給付制限の見直しについては、適用拡大に先立ち、2025年4月1日に施行される予定です。

 

今回の適用拡大により被保険者となる従業員が増えることで、雇用保険料の会社負担の増加、そして各種手続き数の増加による事務負担が生じます。適用拡大が施行されるまでにはまだ時間がありますが、特に短時間のパートタイマー・アルバイトが多い事業所では、施行後の影響を早めに確認しておくことをお勧めします。

 

参考リンク

厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の概要」

 

 

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