入退社時の社会保険料控除について

入退社時の社会保険料控除について

2016年03月19日(土)2:58 PM

入退社時の社会保険料控除について

毎月の給与から徴収する社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料)の額は 、標準報酬月額に所定の保険料率を乗じて計算しますので、標準報酬月額や保険料率に変更がなければ毎月同額となります。
ただし入社時と退社時については注意が必要な場合がありますので下記の例にしたがって解説します。

A社 当月20日締め、当月末払い

1. 入社時の社会保険料
社会保険料は、資格取得月から喪失月の前月分までを納付する決まりです。保険料は月単位の計算となり、日割計算は行いません。
このA社では、当月分の保険料を翌月支給の給与から徴収しています。(翌月徴収)
例えば、A社へ4月1日に入社したBさんの場合、4月分の保険料はその翌月である5月支給の給与から徴収されますので、4月末に支給される給与から社会保険料の徴収はされないことになります。

2. 退職時の社会保険料
退職の場合、社会保険の資格喪失日は、退職日の「翌日」とされています。
したがって、月末退職の場合はその翌日である翌月1日が資格喪失日となります。また社会保険料は資格喪失月の前月分までのものが徴収されることになります。
例えば、A社に数年勤務し4月30日に退職したEさんの場合、資格喪失日は翌日の5月1日となりますので、5月に支給する給与を計算する際に、4月分の社会保険料を徴収する必要が生じます。
しかし、同じくA社に数年勤務し4月29日に退職したFさんの場合、資格喪失日は翌日の4月30日となり4月中の資格喪失となりますので、社会保険料はその前月分である3月分までの徴収となります。したがって、5月に支給する給与を計算する際に、社会保険料を徴収する必要はありません。
退職者本人にとっては、いずれにしても1日の空白もなく社会保険に加入する必要がありますので、例えば、Fさんについては4月分の保険料を退職後に加入する保険制度(例えば国民健康保険や国民年金など)に対して支払う必要があります。
しかし会社にとっては、1日の退職日のズレにより、1ヶ月分の保険料の事業主負担分に違いが生じます。
退職を希望する従業員が退職日にこだわりがないようであれば、きちんと話し合いの上、退職日を月末から前倒しするのも、保険料負担軽減テクニックの一つだと思います。

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